循環器内科
循環器内科
循環器内科とは、血管(動脈、静脈)の病気と心臓の病気を扱う専門科です。
主に高血圧、心臓弁膜症、不整脈、狭心症、心筋梗塞、心不全、動脈硬化についての診療を行っています。高血圧、糖尿病、喫煙習慣、高脂血症などの循環器疾患のリスクの大きい人は、定期的に診察を受けることをおすすめします。
次のような症状の患者さまはお気軽にご相談ください。
胸の痛み、息切れ、手足や顔のむくみ、短期間での体重増加(2~3週間で体重が2kg増えた等)、尿の量が少なくなった、倦怠感 めまい、立ちくらみ など
循環器内科の主な疾患
- 高血圧
- 動脈硬化症
- 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
- 不整脈
- 心臓弁弁膜症
- 心筋症
- 心不全 など
高血圧
血圧は、心臓から送り出された血液が、血管を通るときに血液壁にかかる圧力です。心臓が収縮して、血液を押し出した瞬間が最高血圧、収縮後に拡張したときが最低血圧で、高血圧は、血管に強い圧力がかかっている状態です。
その結果、血管を障害していくので次第に血管が硬くなり動脈硬化へとつながります。高血圧は、特有な自覚症状がないため深刻な状態に陥るまで気づかないことが多く、心臓病や脳卒中などの合併症の引き金となるため注意が必要です。
- ● 高血圧から起こる合併症
-
高血圧は自覚症状がほとんどなく静かに進行します。血管に常に通常以上の圧力がかかるため、血管壁が厚くなり弾力性が失われ、内壁にコレステロールが沈着して動脈硬化が進みます。動脈硬化は高血圧を加速し、その結果いっそう動脈硬化が進むという悪循環となります。
合併症は症状が出てから治療しても何らかの障害が残る場合が多いので、日頃から血圧の管理を行い合併症を予防することが大切です。
- ● 合併症の種類
-
心血管障害 心肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞 など 脳血管障害 脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血 など 肝機能障害 腎硬化症、腎不全 など 血管障害 - 大動脈瘤(大動脈の一部が瘤状に膨らみ、破れると大出血が起きます)
- 閉塞性動脈硬化症など(足の血管に動脈硬化が起きて血液の流れが悪くなり、歩くと足が痛むといった症状などが見られます)
● 高血圧の予防
- ■ 塩分摂取制限
-
塩分をとりすぎると血液中の水分が増加し血圧が上がります。摂取量を1日6g以下にします。
- ■ 肥満の防止
-
肥満は血圧を上昇させます。適正体重、BMIで25を超えないようにします。
- ■ 禁煙
-
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ血液を流れにくくします。
- ■ アルコールを控える
-
多量のアルコールは血圧を高くします。
- ■ ストレスの軽減
-
精神的な緊張は交感神経を刺激して血圧を上げます。
動脈硬化について
身体のすみずみまで血液とともに栄養を行き届かせているのが動脈です。
動脈をはじめとする血管は、弾力性に富んでいますが、年をとるとともに血管にも老化現象が起こります。
弾力性が失われて硬くなったり、内部に様々な物質が沈着して血管の通り道が狭くなり、 流れが滞るような状態を「動脈硬化」といいます。
狭心症
冠状動脈は酸素と栄養を含んだ血液を心臓の筋肉に供給しています。その冠状動脈が、動脈硬化によって狭くなると、心臓の筋肉(心筋)への血液の流れ(血流)が減少します。運動などの労作をおこなうと、心臓もより多く働かなければならず、心筋が酸素不足になり、その症状が胸痛として現れます。
この痛みは一時的なことが多いのですが、 進行して心筋梗塞を起こすと激しい痛みに襲われ、最悪の場合には心臓の停止・突然死を招くことがあります。
また、狭心症の症状は運動時だけではなく、安静時にも症状として現れることがあります。
特に夜間や早朝に血管が痙攣(けいれん)を起こし、狭心症状が起きるものです。
これは冠動脈攣縮性狭心症と呼ばれています。
心筋梗塞
心筋梗塞は心臓の筋肉に酸素や栄養を送っている冠状動脈の動脈硬化巣から出血して血栓(血液のかたまり)ができて血管が閉塞することにより血液の流れが途絶え、 その血管で養われていた流域の心筋が壊死を起こしていく(心筋細胞が死ぬ)病気です。
狭心症の場合は安静にしていれば痛みはひいていきますが、心筋梗塞の場合は強い持続性のある痛みが長く続きます。
動脈硬化は、食事、運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣の違いによっても大きく影響されます。
予防するには、動脈硬化の原因となる高血圧や高脂血症などにならないようにすることです。
オーバーウエイトや過労、過度のストレスを避け、適度な運動と睡眠を心がけるなど、血管に負担をかけないようにしましょう。
心不全
心不全とは、病名ではなく「心臓がポンプとしての機能を果たせなくなった結果生じた体の状態」をいいます。
心筋梗塞や心臓弁膜症など、あらゆる心臓病はもちろん、例えば高血圧で長年、心臓に負担がかかっている場合などでも、 次第にその働きが低下し、心不全の原因となります。
心不全は生活習慣が原因で起こることがあります。 規則正しい生活と運動、睡眠、食生活をこころがけていきましょう。